2014年06月25日
ゾウ・ヂィー・カ8
5月28日(水)
今日の稽古もニャン先生。これで2週続けてニャン先生の稽古である。
先生は来週には戻ると言うのだが、何だかもう、ニャン先生の細かい指導が快感になりつつあって、このままでも特に不満はないくらいだ。
飽きる事も、懲りる事も、そして、大して上達する事もなく、今日もまた、ゾウ・カとパカンの稽古である。
最近、左足の踵が痛むので、何が原因だろうと不思議に思っていたのだが、どうやらサゴォ・ワインの練習のせいらしい。
このところ、稽古の度にサゴォ・ワインの練習をしていたのだが、何せニャン先生の指導なので、同じ事を10回でも、20回でも、30回でも繰り返す。
大袈裟に説明すれば、サゴォ・ワインはしゃがんだ姿勢で右足を反時計回りに回し、左足で右足を跳び越える。要は地面擦れ擦れの回し蹴りみたいなものだが、コツの飲み込めていない私は、この練習の度に、ごんっ、がんっと、踵やら甲の横やらを床に打ち付けている。
ニャン先生、今日は何度も、「う~ん、何かが違う。何が違うのかなぁ。もう一回やってみて」と、今までで最多の繰り返し回数を記録し、お陰で足の痛みも倍増した。
ズキズキと痛む踵を騙し騙し、足腰に力が入らなくなるほどサゴォ・ワインを繰り返して、それで上手くなったのであれば報われるが、現実は厳しく、これだけやっても何とか理屈が理解出来ただけである。
・・・・・そっと拭った瞳には、蛍光灯の光が滲んで見えた。・・・と言うのは嘘ではない。ただ、汗が目に沁みて、蛍光灯の光が滲んだだけだが。
「そうそうそう、そんな感じ。それを素早く出来る様に、家で何回も練習する事だよ」との言葉で、やっとサゴォ・ワインから開放されたのだが、全てに亘ってこんな感じで、ニャン先生は兎に角細かく、そして厳しい。
ダンサーとしてもバリバリ現役プロのニャン先生は、踊り方だけでなく見せ方、つまり、観客の目を惹きつけるコツも事細かに説明してくれる。
足首の屈伸、腕の曲げ方に一つにしても、観客の目を惹くための工夫があり、タメの取り方、顔の向きや視線のちょっとした変化、“自分は次にこんな事をするんですよ”と言う、ちょっとしたアピールを加える事で、観客の目は惹けるものだと言う。
ニャン先生に実演して貰うと確かにそうなのだが、大半は、「そんなこっぱずかしい事が出来るか~」と、呻きたくなるような小技である。
感心したのは、ニャン先生が常に爪先立ちで踊ることを心掛けていると言うこと。
片足を上げる度に軸足は爪先立って伸び上がるのだが、このスキップ様の動きで上下にメリハリを付けるのは、躍動感を演出するのは勿論の事、小柄な自分を大きく見せるための工夫でもあるのだそうだ。
腕の動きや体の捻りと言った、他の動作も可能な限り大きく派手にして、花火のような、パチパチと爆ぜる火の粉のような、華やかな印象を観客に与えるようにしていると言う。
ミャンマー・ダンスでは四肢を伸ばしたポーズを取る事は少ない。女性の踊りでは皆無と言っても良さそうだし、男性の踊りでも相当に稀だろう。
四肢をクネクネと折り曲げ、全体に球状の、円に収まるようなポジションを取ることが多いので、余程上手くない限り、大柄な人よりは小柄な人の方がすっきりと纏って見栄えが良い。
バガンのような優雅な踊りでは長身や手足の長さもプラスになるのだろうが、いかにもミンダー・アカらしい、テンポの速い弾む感じの踊りでは、大柄なミンダーは野暮ったく見えるので、ニャン先生の小柄を逆手に取った、理に適った踊り方は流石である。
舞台を観る上では非常に参考になるので有り難いが、逆に舞台で踊る予定など皆無の私に、そんな見せ方の秘訣まで熱心に教えてくれるニャン先生って可愛いなと思う。本当に踊りが好きなんだろうなと思う。
まだ23歳だもの、彼の未来はまだまだこれから。若いっていいよなぁと、目を細めずにはいられないのだ、オバサンとしては。
今日の稽古もニャン先生。これで2週続けてニャン先生の稽古である。
先生は来週には戻ると言うのだが、何だかもう、ニャン先生の細かい指導が快感になりつつあって、このままでも特に不満はないくらいだ。
飽きる事も、懲りる事も、そして、大して上達する事もなく、今日もまた、ゾウ・カとパカンの稽古である。
最近、左足の踵が痛むので、何が原因だろうと不思議に思っていたのだが、どうやらサゴォ・ワインの練習のせいらしい。
このところ、稽古の度にサゴォ・ワインの練習をしていたのだが、何せニャン先生の指導なので、同じ事を10回でも、20回でも、30回でも繰り返す。
大袈裟に説明すれば、サゴォ・ワインはしゃがんだ姿勢で右足を反時計回りに回し、左足で右足を跳び越える。要は地面擦れ擦れの回し蹴りみたいなものだが、コツの飲み込めていない私は、この練習の度に、ごんっ、がんっと、踵やら甲の横やらを床に打ち付けている。
ニャン先生、今日は何度も、「う~ん、何かが違う。何が違うのかなぁ。もう一回やってみて」と、今までで最多の繰り返し回数を記録し、お陰で足の痛みも倍増した。
ズキズキと痛む踵を騙し騙し、足腰に力が入らなくなるほどサゴォ・ワインを繰り返して、それで上手くなったのであれば報われるが、現実は厳しく、これだけやっても何とか理屈が理解出来ただけである。
・・・・・そっと拭った瞳には、蛍光灯の光が滲んで見えた。・・・と言うのは嘘ではない。ただ、汗が目に沁みて、蛍光灯の光が滲んだだけだが。
「そうそうそう、そんな感じ。それを素早く出来る様に、家で何回も練習する事だよ」との言葉で、やっとサゴォ・ワインから開放されたのだが、全てに亘ってこんな感じで、ニャン先生は兎に角細かく、そして厳しい。
ダンサーとしてもバリバリ現役プロのニャン先生は、踊り方だけでなく見せ方、つまり、観客の目を惹きつけるコツも事細かに説明してくれる。
足首の屈伸、腕の曲げ方に一つにしても、観客の目を惹くための工夫があり、タメの取り方、顔の向きや視線のちょっとした変化、“自分は次にこんな事をするんですよ”と言う、ちょっとしたアピールを加える事で、観客の目は惹けるものだと言う。
ニャン先生に実演して貰うと確かにそうなのだが、大半は、「そんなこっぱずかしい事が出来るか~」と、呻きたくなるような小技である。
感心したのは、ニャン先生が常に爪先立ちで踊ることを心掛けていると言うこと。
片足を上げる度に軸足は爪先立って伸び上がるのだが、このスキップ様の動きで上下にメリハリを付けるのは、躍動感を演出するのは勿論の事、小柄な自分を大きく見せるための工夫でもあるのだそうだ。
腕の動きや体の捻りと言った、他の動作も可能な限り大きく派手にして、花火のような、パチパチと爆ぜる火の粉のような、華やかな印象を観客に与えるようにしていると言う。
ミャンマー・ダンスでは四肢を伸ばしたポーズを取る事は少ない。女性の踊りでは皆無と言っても良さそうだし、男性の踊りでも相当に稀だろう。
四肢をクネクネと折り曲げ、全体に球状の、円に収まるようなポジションを取ることが多いので、余程上手くない限り、大柄な人よりは小柄な人の方がすっきりと纏って見栄えが良い。
バガンのような優雅な踊りでは長身や手足の長さもプラスになるのだろうが、いかにもミンダー・アカらしい、テンポの速い弾む感じの踊りでは、大柄なミンダーは野暮ったく見えるので、ニャン先生の小柄を逆手に取った、理に適った踊り方は流石である。
舞台を観る上では非常に参考になるので有り難いが、逆に舞台で踊る予定など皆無の私に、そんな見せ方の秘訣まで熱心に教えてくれるニャン先生って可愛いなと思う。本当に踊りが好きなんだろうなと思う。
まだ23歳だもの、彼の未来はまだまだこれから。若いっていいよなぁと、目を細めずにはいられないのだ、オバサンとしては。
Posted by ASU at 19:37│Comments(0)