2013年08月14日

稽古再開

 SEAゲームに関するイベントを終えて、先生がネーピードー出張から戻った。
 ご丁寧に、8月から稽古を再開しても大丈夫かとの確認と、稽古を中断したことに対するお詫びの電話が、7月の終わりに先生から入った。
 予定通りの再開だが、残念ながら、当面の生徒は私だけである。
 先生からは「休まないし、頑張るし、これが学生なら表彰ものだよ」と、お褒めの言葉を戴いた。
 当然だろう。何せ(年齢的に)後のない私に、怠けている余裕などない。こんな熱心な生徒、そうはいないだろうと自画自賛したいくらいだ。
 旅行に出ていた1週間を除けば、ミャンマー・ダンスの自主練をしなかった日はない。
 車の中では伴奏を聴き、タイトルを呟きながら、動作のイメージ・トレーニングをした。
 ぺービャーピンヌェ、パンビャーピンヌェ(どちらも同じ動作)以外は、随分とスムーズになったと思う。
 まぁ、こんな調子で、突き詰めたがりの性格だから、竪琴は腱鞘炎でドクター・ストップがかかり、バレエや太極拳ではしょっちゅう体のどこかを痛めているのだが、ミャンマー・ダンスでも既に手首が怪しい感じである。
 だが、ミャンマー・ダンスを習う上での最大の問題点は、予想を上回る速度で逞しくなって行く腿の前面や脛の筋肉である。
 以前、太極拳を張り切り過ぎて、バレエの先生に呆れられるほど腿を太くしたが、今回は腿だけでなく脛まで太くなっている。
 ただでさえバレエに不向きの脚が、さらに醜くなって行く・・・・・。
 8月からの稽古内容は、膝を着いて踊るのが大変だからと、先生が素っ飛ばした基礎の第2段。
 20番まである動作の内、6番目の途中までが、立膝のまま脚を左右交互に踏み出すステップの繰り返しで、これが途中でよろめくほどに辛い。
 ただでさえ脚に負荷の掛かる動作が多いところを、暫くはプライベート・レッスンで徹底して練習することになりそうだし、2ヵ月振りにバレエが、2週間振りに太極拳が、ミャンマー・ダンスと時を同じくして再開したので、全身を襲う筋肉痛も並みではない。
 痛みに呻きながら、両日の稽古を終える頃にはもう虫の息、フラフラのヨロヨロ、ハッと気付いたら、目に見えて腿と脛の筋肉が盛り上がっていた。
 「他の2人が戻ったら細かく教えるから、今日は10番くらいまで、大体の動きを覚えようか」と言ったのに、先生、「早いねぇ、20番まで終わっちゃったよ」。
 次の日も、「じゃあ、今日は5番まで。1番から5番までを、1人で踊れるようになればいいからね」と言ったのに、「上手、上手、最後まで出来たじゃないのぉ」。
 いえいえ、最後まで出来たんじゃなくて、最後までやらせたんですよ、先生。疲れる筈である。
 行進すれば右手と右足が同時に出てしまうタイプの私は、ミャンマー・ダンスでも腕の動きに吊られて首の動きがずれる。
 「踊りは当ってるのに、首の動きだけずれるねぇ。きちんと踊ろうと意識し過ぎると逆にずれちゃうよ。何にも考えないで。学生じゃないんだから、そんなに緊張することないでしょ」と先生は仰るが、気が張っているから何とかついて行けているだけの話で、飲み込みが早い訳でも、要領が良い訳でもない私としては、努力でカバーしないと見放されそうな気がするんですけど?
 ましてや、私より14、5も若い先生ですら、ずっと一緒に踊るのはきついとみえて、お供のお兄ちゃんに踊らせるような、結構大変な内容なのである。
 歳と言えば、先生は私を幾つだと思っているのだろうと些か疑問に思うことがある。
 先生は私の事を「アマ(お姉さん)」と呼ぶが、私より若い人を「アンティ(おばさん)」と呼んでいたから、私の前では気を使って「お姉さん」と呼んでくれているのだろうと思っていた。
 「今から新しい生徒が入ったら、先生、教え難いですよね?」と訊ねたところ、思いも寄らず、私達が休憩している間に新しい人達に基礎を教えるから大丈夫、彼等の頑張りよう如何では(!)追い付けるかも知れないしとの答えが返ってきた。
 3週間の休みがなかったら、今頃は2段も終わっていたと悔しがる人なのに(何でそれが悔しいんだかは解らないが・・・・)、やけにポジティブじゃんと意外に思っていたら、突然、「新しく習いたいっていう人、若いの?」と訊く。
 咄嗟に「若いです」と答えてから、若いの範囲が定かでないことに気付いて、「私より若いです」と言い直すと、「お姉さんくらいなら好いけど、あんまり歳が行ってると教えるのが難しいと思う。疲れるから(稽古に)ついて来られないじゃない?」と仰る。
 ・・・・う~ん、私くらいの歳になれば、多分、付いて来られない人の方が多いと思うんだけどなぁ。
 目の下に隈を作って正座している(脛が痛いので)私に、「まだ踊れる?無理しなくていいよ。今日はもう終わりにする?」と、優しげに訊いてくれるが、私の歳を考えて労わってくれているようにみえて、先生のこれ、実は「踊れ」と言っているのと同じである。
 「・・・踊れますよ、先生が踊れって言うんならね」とスターティング・ポジションを取ると、呆れたのか、会心したのか、先生、ちょっと笑って、「はい、じゃぁ、最後にもう1回だけ。最初から最後まで通しで」。
 案の定、20番までを通しただけでは済まず、その後に数箇所をやり直し、最後の決めポーズに至っては数十回をやり直して、この日の稽古は終わった。
 先生は自分の教え子の母親達が、自分の稽古について来られると思っているだろうか。いや、きっと、思ってはいないだろう。
 糠喜びをしたくはないが、どうも先生は私の年を勘違いしているような気がする。
 彼女達と同世代の私としては、足腰が立たなくなる前に、実年齢を申告した方が好いのかも知れない。



Posted by ASU at 01:50│Comments(1)
この記事へのコメント
歳と言えば、先生は私を幾つだと思っているのだろうと些か疑問に思うことがある。
 先生は私の事を「アマ(お姉さん)」と呼ぶが、私より若い人を「アンティ(おばさん)」と呼んでいたから、私の前では気を使って「お姉さん」と呼んでくれているのだろうと思っていた。
Posted by ダウンアウトレット at 2014年10月31日 12:20
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